当研究室では,単細胞紅藻シアニジオシゾン(
Cyanidioschyzon merolae)の同調培養系を開発し,それを用いて,細胞周期におけるオルガネラの複製と分裂を研究しています。また,植物や藻類では,葉緑体とミトコンドリアという2つのオルガネラのDNAポリメラーゼが,これまでヒトや酵母のミトコンドリアで知られていたガンマ型ではなく,POP (plant and protist organellar DNA polymerase)と呼ばれる新しいタイプの酵素であることを突き止めました。
一方,脂質合成系を調べ,プラスチドで合成されたステアリン酸がERに運ばれて不飽和化され,リノール酸となったのちに,再びプラスチドに戻って,プラスチド内で作られたパルミチン酸とともに,グリセロ脂質の合成に使われること,つまり,一分子の脂質をつくるのに,必ず両方の経路からの脂肪酸の供給が必須であることを明らかにし,これをcoupled pathwayと名付けました。植物の場合,それぞれの経路だけで,脂質を作ることができるので,紅藻はかなり違っています。
同調培養系の論文
POPの論文
シアニジオシゾンのゲノム解読の論文(2004年Nature)
ゲノム100%解読の論文(2007年)
紅藻の脂質合成系の論文
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