ヒメツリガネゴケ(Physcomitrella
patens)の原糸体(protonema)は,先端の細胞が伸長することで成長し,細胞が長くなると,分裂します。細胞核(透明ですが,個微
分干渉観
察のため,ゼリーのように見えます)が,先端の成長につれて,前に移動していき,M期になると核膜の消失に引き続いて染色体の分配がおきます。教科書的に
はM期のいろいろな段階があるのですが,この映像は20秒に1コマ撮影のため,核分裂は一瞬で終わります。約120倍に加速して再生しています。分裂後の
2つの核は速やかに離れていき,間には細胞板が形成され,最終的に細胞壁になります。また,葉緑体も分裂するのが観察されます。
この映像は,オリンパスBX-60で,微分干渉光学系を使い,100倍の対物レンズを使用して,CCDカメラ(オリンパスDP70)を用いて撮影したもの
です。細胞に奥行きがあるため,どうしてもピントが合っているところとあっていないところができますが,だいたい細胞の中央にあわせてあります。葉緑体
(約5 µm)の他,大きな液胞膜やミトコンドリア(約1 µm)も見られます。細胞核の中には大きな核小体も見えています。