フラ語とるかしこさ
東京大学の理科生なら第2外国語はフランス語だね(その3)



とはいうものの,いろんな言葉を全部わかるのは無理なので,1つだけ選ぶとするとどうしたらよいでしょうか。

少し前に「フラ語とる馬鹿」ということが言われたことがありました。発音が難しいのが主な理由のようです。しかし,皆さんは英語をすでに勉強しています。 その場合,一番楽なのはなんと言ってもフランス語です。確かに発音が,英語を基準とすれば変わっているように思うかもしれません。でもフランス語の発音は 基本的に母音で終わるので,日本人にはとてもなじみやすいものです。英語やドイツ語のように子音で終わる言葉は日本人には苦手です。それに英語もドイツ語 もリズムが大切な言葉で,抑揚が間違っていると意味が通じません。フランス語は平坦に発音しますから何も難しくありません。Rの発音はすこし難しいかもし れないけれど,すぐにできます。第一なによりも易しいのは,名詞,動詞,形容詞が同じ語幹からできていることです。皆さんは英語を勉強するときに,動詞か ら名詞や形容詞がそのままできる場合と,全然違う言葉を使う場合があることをならったでしょう。英語はイギリスの言葉ですが,イギリスはなんども外国の征 服を受けたために,ケルト語の土台の上に,ゲルマン語,フランス語が重なってできています。フランスは外国の影響をあまり受けなかったため,すべての言葉 が系統的になっています。さらに,文字の通りに発音することも大きな特徴です。日本語なら当たり前ですが,ドイツ語,フランス語,イタリア語,ロシア語な どみんな文字の通りに発音します。もちろんフランス語で,oiをワと読むとか,いくつかの規則がありますが,それもきわめて規則的で,めったに例外はあり ません。入試の英語では必ず発音を聞く問題があり,次の言葉の下線部の発音が異なるものを選べ,などというのがあります。つまり英語では,同じ綴りを同じ に発音しないことがしばしばあり,それには全くルールがありません。こうしてみると,第1が英語だからみんな英語を勉強する訳ですが,自由に選べるのなら 英語を勉強するのはとても不利だと言うことになります。

すでに英語をある程度勉強した人にとっては,フランス語が一番楽なのは明らかです。French conquerの際にたくさんのフランス語の言葉が英語に入りました。そのため,英語でも特に論説文などではフランス語起源の言葉が多く使われています。 日本語での漢語のようなものです。受験でよくでる単語はこうした言葉ですから,皆さんはすでにフランス語と英語で共通な言葉をたくさん知っているわけで す。実際の発音は微妙に異なりますが,それは上に述べたとおり,一定の規則があるので簡単です。

第2の選択に迷っている方は是非相談して下さい。

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