めぐりめぐむ生命(その3)
めぐるDNA

 「めぐる」という言葉はDNAにも適用できる。DNAの二重らせんはラ セン軸の回りをめぐって進む。

軸を縦にして見ると,さながら,天御柱(あめのみはしら)のまわりを左右からめぐって結婚式を挙げたというイザナキ,イザナミの国生み伝説(古事記)を思 い起こさせる。生命の重要なことがらはどこかでつながっているのだろうか。この話は日本人なら誰でも知っているに違いないのだが,もしも知らなければ,Wikipediaで調べてみ よう。ただし天御柱などは書かれていない。世界神話事典のサイトは こちら。

原核生物やオルガネラのゲノムDNAは環状で,複製起点と終結点を両端とした方向性をもっている。複製や転写のときにもこの 半円弧をめ ぐって酵素が働いている。複製の場合には,左右から2つの複製フォークが進んでいって,terのところでθ型の複製は完結する。転写はゲノム全体から見れ ば部分的だが,ミトコンドリアなどでは,ほとんど完全に1周する。


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Last update: Mar. 26, 2009
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